インプラント治療
やらなきゃ良かったと思う前に
「高額を出してインプラントの治療をしたけれど、やらなきゃ良かった」
「かぶせていたものが取れた」
そのようなお話を聞くと、インプラント治療をするのが怖くなってしまいますよね。
しかし、治療前にインプラントについての正しい知識と適切な歯科医院を選ぶことができれば、とても良い治療を受けることができます。
インプラント治療で後悔しないために、詳しく解説いたしまので、ご検討中の方はぜひ、参考にしてみてください。
インプラント治療前による
検査不足から起こる問題
インプラント治療では、外科的な手術を伴う場合があります。歯肉を切開し、そこにインプラント体を埋め込みます。
なので、患者さん自身の病気や飲んでいる薬があるかの確認は非常に大切です。
これをしないと、インプラント治療が適応なのか、外科的な手術をしても大丈夫なのかを判断する必要があります。
それにより、インプラント治療をすることで、持病に影響を与える場合や健康に悪影響を及ぼすと見なされた場合には、治療が不可能に、または全身に問題が起きてしまう原因となってしまいますので、自己申告はして下さい。
心筋梗塞
心筋梗塞や狭心症、脳梗塞や脳卒中を起こしている人は、再発と合併症の可能性があるため、6ヶ月を経過してからの治療でないと危険です。
骨粗鬆症
骨粗鬆症とは骨の代謝バランスが悪くなり、骨が形成されるよりも骨破壊が上回り、骨がもろくなってしまう状態です。
骨粗鬆症でも、インプラント治療は可能ですが重度であると、できない可能性があります。
また、最初に骨を増加させるような治療を行なってからインプラント治療に入る場合もあります。
どちらにせよ担当医との相談が大切で、飲んでいる薬など伝え忘れないようにしましょう。
金属(チタン)アレルギー
インプラント体に使われているチタンは安全であるのでアレルギーを起こす人は少ないですが、もしかするとアレルギー反応が出る可能性があります。
アレルギーが出ることが懸念されている人には、皮膚テストや血液検査をし、チタンに対するアレルギー有無を確認します。
そしてアレルギーがある場合には、治療が行えません。
関節リウマチなどの免疫疾患で
ステロイドを使用している
自己免疫疾患の患者さんで、長期間ステロイド薬を使用している場合、インプラント治療を行なうと重度なショック症状を示す場合があります。
また、骨が形成されにくく、骨吸収も起こりやすいためインプラントの治療ができるかは主治医との相談になります。
これらの疾患や持病をお持ちの患者さんは、よく主治医と相談し健康状態や服薬状態もきちんと話すようにしましょう。
しかし、十分に説明を受けないままに治療が開始されてしまう場合もあります。
それにより血が止まらなくなってしまい入院せざるを得ない状況に陥ってしまうというケースも報告されています。
主治医だからといって安心せずに、自分の納得いくまで話を聞き、安心して治療に臨めるようにしましょう。
インプラント治療を後悔してしまうケース
インプラント治療が失敗する
インプラントは、インプラント体という人工歯根を顎骨に埋入する手術が必要ですが、その方向や角度は事前に検査し確定します。
しかし、その計画の時点でミスが起こると上手くインプラントと骨がくっつかなかったり、出血や麻痺が起きてしまったりします。
そのようになってしまうと、失敗に終わってしまいます。
インプラントが長く持たない
インプラントは基本10年以上もつといわれておりますが、不具合により長くもたない場合もあります。
例えば、自身での口腔清掃や歯科医院での定期検診を怠り、インプラントを入れた周囲から歯肉炎になったり(インプラント周囲炎)それが原因で歯が抜けたりというようなことが起こる場合もあります。
ですが、一般的に長持ちしている方の方が多いです。
インプラント埋入部からの痛みがある
インプラントを入れた部分の噛み合わせが悪かったり、インプラント自体がもろかったりすると、それが原因で痛みを伴う場合があります。
それにより、上手く噛めず食事が楽しめず苦痛に感じてしまうこともあります。
下の顎の神経麻痺が起きた
インプラントを下の顎に入れる際に、大きさが合わない場合や方向を失敗してしまうと
それが原因で神経や血管を傷つけてしまい、感覚の麻痺が起きてしまいます。
すぐに感覚麻痺への治療ができると元に戻る可能性はありますが、遅くなってしまうと、一生戻らなくなってしまうこともあります。
インプラントのかぶせ物が
すぐ取れる
インプラントは被せ物をネジで固定しているので、それが緩んでしまうと外れてしまう原因となります。
ネジを締めれば良いのですが、これを何回も繰り返していると取り付けるネジが歪んでしまいこの先使えるか分からなくなってしまいます。
治療費が高い
保険が適応されず、全て自費診療となるのでかなり治療費はかかります。
また、自費診療の場合は歯科医院個人で価格を決められるので、多少の差異が見られます。
追加でのインプラント治療を行なうとなった場合には、さらにお金がかかり初期の計画分以上に必要となってしまいます。
そのために、インプラント治療は患者さん自身の治療費への負担が大きいです。
問題が起きたとき対応してくれる
歯科医院が見つからない
転勤や引っ越し、または通っていた歯科医院が何らかの利用により閉院して場合、その後に見てくれる歯科医院を見つけるのが難しいです。
インプラントを使っているメーカーや材料が違うと、断られてしまう可能性があります。
メジャーなものを使用すると、引受先が見つかりやすいです。
歯科医院を選ぶ際には
よく検討することが大切です
インプラント治療を成功させる鍵となるのは、歯科医院選びです。
沢山の歯科医院がインプラント治療をしていますが、知識量や技術、また設備などは様々です。
これが、欠落しているとインプラント治療が失敗に終わってしまったり、十分な説明がないままに治療をされてしまったりします。
そのようなことが、結果としてインプラント治療をやらなければ良かったと後悔を生んでしまうことになります。
担当の歯科医師が、技術、知識、実績があることを事前に確認することが大切です。
インプラント治療は、高額な上に難易度の高い治療となりますので、安心して治療を受けられる歯科医院を選ぶことが大切です。
歯科医院を選ぶ際のいくつかのチェックポイントがこちらになります。
- CTやレントゲンなどの設備があるか
- 相談や質問に対して真摯な対応、そして良い点以外のことも教えてくれるか
- インプラント治療の実績や経験が豊富にあるか
- 口腔内全体を治療してくれるか
インプラントの治療を行なう前には、顎や歯の状態、口腔内全体がどうなっているかをきちんと確認するためにも、歯科用CTやレントゲンは必須です。
これを元に治療計画を立てていきます。
その際に、他の歯に虫歯や歯周病が見つかったらそこを先に治療してからでないと、インプラント埋入後に多大な悪影響が及んでしまいます。
そのため、口腔内全体治療をしっかりと行なってくれるところでないと、今後の心配が大きくなってしまいます。
これらは、相談に行った際に直接尋ねてみるのが良いと思います。
家でのセルフケア+定期健診を怠らないでください
インプラントを入れるとよく噛めるようになり、良い点も沢山あります。
しかし、天然歯とは違うので少しの磨き残しができてしまいます。
そこを、そのままにしておくとインプラント周囲炎といって、炎症反応が起きてしまいます。
最悪の場合、インプラントがぐらぐらして抜けてしまうこともあります。
そうならないためにも、日々の歯ブラシを念入りに行なうことと、定期的な歯科検診を受けることはとても大切になります。口腔内を綺麗に保つことで、インプラントが長持ちします。
値段で決めないことをお勧めします
どこで行なおうか悩むとき、金額で見比べると思います。
そのとき1本当たりが、他の歯科医院に比べ安いと、ついそこに即決したくなると思います。
しかしそれは要注意です。
かぶせ物や、麻酔の費用が別途かかる可能性があり、総合計ではなく1部分だけを宣伝しているかもしれません。
安い理由が、日本では許可をされていない製品のインプラントを使用していたり、マイナーなインプラントだったりと、良くない要因が重なっている可能性が非常に高いです。
ですので、値段で選ぶのではなくきちんと歯科医師の経験値があるのか、安全かをよく確認しましょう。
目先のお金ではなく、長い目でみて将来良い方を選べるようになると良いです。